今日子は、トイレにいた女性達と会ってしまうのではないかと不安だった。
電車の中では後藤が、自分の所有物であると誇示するかのように、ぴったりと寄り添っていた。トイレで聞いた女性達の言葉が耳から離れず、周りの目線が気になりずっと下を向いたままだった。
後藤は時より話しかけてくるも、頷いたり、短い返事しか出来なかった。早く駅について欲しい。それしか考えられなかった。
後藤は今日子がそんな状態であったなど、最近の彼女をみていてすっかり忘れていたのだった。
“SHIBANO”のある駅に着くと、ホームのベンチを見つけ座り込んでしまった。
「今日子? 大丈夫か?」
後藤は隣に座り優しく今日子の背中を撫でていた。自分の身体が忌々しい。気にしないようにと気を付けると余計に気になり悪循環に陥った。何十年も避けてきた世界を今乗り越えるために必死だ。後藤の為にも何とか克服しなければとも思うようになった。気持ちばかりが先走り精神が付いて行かない。後藤に愛想を尽かされるにではないか、飽きられるのではないかと言った不安も襲い掛かる。恋愛とは大変なことなんだと改めて思った。
電車の中では後藤が、自分の所有物であると誇示するかのように、ぴったりと寄り添っていた。トイレで聞いた女性達の言葉が耳から離れず、周りの目線が気になりずっと下を向いたままだった。
後藤は時より話しかけてくるも、頷いたり、短い返事しか出来なかった。早く駅について欲しい。それしか考えられなかった。
後藤は今日子がそんな状態であったなど、最近の彼女をみていてすっかり忘れていたのだった。
“SHIBANO”のある駅に着くと、ホームのベンチを見つけ座り込んでしまった。
「今日子? 大丈夫か?」
後藤は隣に座り優しく今日子の背中を撫でていた。自分の身体が忌々しい。気にしないようにと気を付けると余計に気になり悪循環に陥った。何十年も避けてきた世界を今乗り越えるために必死だ。後藤の為にも何とか克服しなければとも思うようになった。気持ちばかりが先走り精神が付いて行かない。後藤に愛想を尽かされるにではないか、飽きられるのではないかと言った不安も襲い掛かる。恋愛とは大変なことなんだと改めて思った。