最近の女の子はみんな可愛い。
もちろんメイクの技術にだいぶ左右されるところはあるだろうけど、あの2人はたぶんすっぴんでもまぁまぁ可愛いと思う。

眺めていると、彼がこちらを指差しているのが見えて、あたしは素知らぬ顔で目を逸らした。
ギャルは不満を露わにしたけれど、またすぐ笑顔に戻ると彼に手を振っていた。


「モテるんですね」

彼が戻るや否やそう言うと、彼は、あたしに午後ティーのペットボトルを手渡しながら、言った。

「ああいうのはモテるってのとは違うでしょ。帰りの足探してるだけだよ。電車で来たとか言ってたけど」
「乗せてってあげたらいいのに」
「まさか。本気で言ってる?」
「…べつに問題ないと思いますけど。あたし、彼女なわけじゃないし」
「でも俺の好きな女じゃん。俺が嫌だ」


彼の声がすこし不機嫌になったのがわかり、あたしも黙った。
彼はコーラを一口飲むと、すぐにベルトをつけたので、それに促されるようにあたしもベルトをつける。

また、やっちゃったな。


窓ガラスにおでこをつけると、彼よりもっと不機嫌な顔をしたあたしがそこにいた。