「お疲れ様です」
「いえいえ。よかったね、日が沈む前に着いて」
「はい」
砂浜に降り立つと、ヒールが砂に取られて、とてもじゃないけど歩けない。
この間のことがあるから、今日は低めの5センチヒールのサンダルにしたんだけど、まさか海に来るとは思ってなかったからな…。
「大丈夫?じゃ、ないか。はい」
あたしの様子に気付いた彼が、手を差し出す。
「…大丈夫です。脱ぐから平気」
「熱いよ、砂。裸足じゃ」
まだ、燦燦とあたりを照らす太陽を眺めて、あたしは納得する。
「…えっと」
「そんなに嫌なら、いいけど」
そう言うと彼は手を引っ込め、歩き出してしまった。
自分で拒否したくせに、あたしは傷ついている。
こういう時だ。
自分で自分が面倒くさいと感じる瞬間。
言いたいことが上手に言えないし、してほしいことを、してほしいと伝えることができない。
そのくせ逆に、言いたくもない、思ってないことを言ってしまったり、したくもないことをしてしまったり。
あたしはいつだってそうだ。
「いえいえ。よかったね、日が沈む前に着いて」
「はい」
砂浜に降り立つと、ヒールが砂に取られて、とてもじゃないけど歩けない。
この間のことがあるから、今日は低めの5センチヒールのサンダルにしたんだけど、まさか海に来るとは思ってなかったからな…。
「大丈夫?じゃ、ないか。はい」
あたしの様子に気付いた彼が、手を差し出す。
「…大丈夫です。脱ぐから平気」
「熱いよ、砂。裸足じゃ」
まだ、燦燦とあたりを照らす太陽を眺めて、あたしは納得する。
「…えっと」
「そんなに嫌なら、いいけど」
そう言うと彼は手を引っ込め、歩き出してしまった。
自分で拒否したくせに、あたしは傷ついている。
こういう時だ。
自分で自分が面倒くさいと感じる瞬間。
言いたいことが上手に言えないし、してほしいことを、してほしいと伝えることができない。
そのくせ逆に、言いたくもない、思ってないことを言ってしまったり、したくもないことをしてしまったり。
あたしはいつだってそうだ。