あんなことを続けていたら、いつかこんな日がくるんじゃないかと思っていた。
だから、早く終わりにしたかったのに。


「…うん」

そうは思ってみるけど、そんな後悔は今ここでなんの役にも立ちはしない。
終わりにしたい、と言いつつ、ズルズルとミナミに流されていたのは、俺だ。

「…ごめん」

彩乃からの、返事はない。
ハンドルを握りながら、横目で助手席を見ると、彩乃はやっぱり窓の外を見たままだった。

「彩乃」

左手で、その右腕を掴むと、彩乃はそれを振り切った。
目についた、細い路地に入ると俺は車を路肩に停める。

「誤解だって、彩乃」