だって俺はいつも、ミナミの言いなりだったから。
一方的に惚れ込んで、勝手に付きまとって、ウザいくらいに好きだと伝えた。
ようやく付き合えた時は、大袈裟なんかじゃなく、夢を見てるのかと思った。
彼氏よりも、俺を選んでくれたことが嬉しくて、誇らしくて。
けれど、不安も常に隣にあった。
彼氏になれたとしても、何か落ち度があったり、うまくいかなくなったとしたら、そして他に言い寄ってくる、いい男が現れでもしたら。
すぐにミナミはそっちになびいて、あっという間にいなくなってしまうのではないかと。
だから俺は、できることならなんでもした。
どんなワガママでも、極力聞いた。
いつも常に、ミナミにとっての完璧な男でありたかった。
ミナミの願いなら、できるだけ全てを望む通りに叶えてやりたかった。
だって俺は、ミナミが好きで、好きで、たまらなかったから。
