ブラとお揃いの、ピンクのショーツもあっと言う間に引きずり降ろされて、あたしは思わず足を閉じる。
それを、膝を掴んで彼はこじ開ける。
自分でさえ見たことのないところを、見られているという状況は、あたしの羞恥心を呼び戻す。
けれど、太もものつけ根とか、おへその下なんかに彼の柔らかい唇が這うと、またすぐに快感の波が押し寄せて、羞恥心をさらっていく。
声がどんどん大きくなっていることには気付いていたけれど、もう自分ではどうすることもできない。
ふたつの荒い息遣いと、あたしの甘い声と、小さな水音が響く。
彼の骨張った細長い指はあたしが知らない快感を次から次へと身体中へ伝わせる。
「もう、大丈夫だと思うんだけど…」
そう言って彼の指が、ゆっくりと入ってくる。
「…っ…」
「痛い?」
思わずしかめたあたしの顔を覗きこむ彼を見たときに、それがぼやけて見えたので、あたしは自分が涙目になっていることに気が付いた。
「だい、じょうぶ…」
何かを確かめるみたいに、あたしの中で動いていたその指を抜くと、彼は一旦あたしから身体を離して、自分の腰のベルトに手をかけた。
彼が準備をしている、その背中を見ながら、あたしは思い出していた。
いつか陽菜が、言ってたこと。
「アイツさぁ、この間生でヤろうとしてきて。いや、いつもはちゃんとしてくれんだけど。それでケンカしてさぁ」
あたしが何も言わなくても、ちゃんとしてくれる彼は、やっぱり、信じられる男の人だ。
改めて、そう思う。
半信半疑でデートをして、不安がありながらも信じてみようと付き合い始めて、今。
信じてみて、よかった。
ちゃんと、あたしを大事に愛してくれている、この人を。