教室の前で、明衣香ちゃんが立ち止まっている。
教室から聞こえる篠上さんの笑い声。
僕は教室を覗いた。
そこには衝撃を受ける光景が広がった。
明衣香ちゃんの机の上に、花が花瓶に入れて置いてあった。
「みんなー明衣香、死んじゃったんだって!悲しいねー」
篠上さんが叫ぶ。
明衣香ちゃんは教室に体を運んだ。
僕は明衣香ちゃんの手を掴んだ。
けど、すぐに振りほどかれる。
「誰が死んだの?神山明衣香なら、ここにいるけど?あんたたち、目大丈夫?」
「明衣香ちゃん…」
「今、声聞こえなかった?」
「聞こえてないよ。気のせいだって!」
「気のせいなんかじゃないよ。明衣香ちゃん、ここにいるよ。」
僕は明衣香ちゃんの隣に立った。
「かー君……」
「なっ永嶋くん!」
「そっそうだよ!神山さんはここにいるよ。」
今まで笑っていた女子生徒が一気に僕たちの味方にまわる。
僕は、こういう奴が一番嫌いなんだよ。