「知らねぇよ、そんなの…だったら別れればよかったろ。」
「うん。でも好きだったから大好きだったから。レオのこと…」
「面倒くさ。あぁ…お前みたいな奴と出会わなきゃ良かったわ。つか…明衣香なんかいなきゃ良かったんだよ。」


レオが放った言葉は私の全てを狂わせた。
私なんかいなきゃ良かったんだ…
お父さんもお母さんも声を揃えて言っていた。
『お前みたいな子、育てるんじゃなかった』
『あんたみたいな子、生むんじゃなかった』
だから私は今も一人なんだ。
今も昔もずっと…一人なんだ。


「そうだね。いなきゃ良かった。生まれてこなきゃ良かった。」
そして私は走ってレオから離れた。

私は今…走ってどこへ向かっているのだろう。
どこで立ち止まっても誰も迎えに来てはくれないのに。

私が消えたら、この世界は変わるのだろうか?