「明衣香!」
レオは私を追いかけてきた。
「……」
私は、何も言わず立ち止まった。
「いい加減にしろよ!お前のせいで…」
私は涙が溢れた。
確かに私は酷いことをした。
でも、そんな事態をまねいたのはレオじゃないの?
私はレオを睨みながら言った。
「レオが浮気なんかしなかったら、こんなことにならなかった。確かに明衣香は彼女を傷つけたよ。でもレオまで傷つけたとは少しも思えない。思わない!」
「ふざけんなよ!」
「ふざけてるのはどっちよ!レオ…1人の女の子を本気で愛せないなら恋愛しないほうがいいよ」
「俺は…明衣香を傷つけたって思わねぇ。」
レオの口から衝撃を受ける言葉が出てきた。
「明衣香と別れる前までは、ちゃんと明衣香を幸せにできてたから。」
私はレオに思いっきりビンタをした。
「痛っ」
こんなビンタひとつで痛み感じれるなんて幸せものじゃない。
「初めは幸せだったよ。でもレオの浮気知ってから幸せなんてなくなった。だって習慣できたんだよ。レオの浮気から明衣香に…」
「習慣?」
「レオが抱きしめてくれた後は必ず泣くこと。
レオがしてくれる優しいキスの後は必ず自分の唇を洗うこと。何度も…何度も」

『優しいキスは私の体温全てを奪うほど冷めたものでした』