「なんだ…アンテナ余裕ぢゃん」

一応前に名前を書いてね。
なんて渡された板に油性ペンで

山上 虹花

と大きく書いた。

もう一度携帯を開く。誰からも連絡のこない携帯をベッドに投げ捨て、
表札を片手に部屋をでた。

「よしっ」

かかげた表札は、きれいな字でかけた。

「ぶはっ!!」

後ろから吹き出す声を聞き、振り替えったら…

あいつ!!

はぁ!?なんで…

「きみ、さんじょうって言うの?」
「まるで、参上みたい(笑)」
「ちっ違います!!やまうえです!や ま う え!!」
「虹花…よろしくね」
「……」
スタスタ歩いてあいつは消えた。

隣を通りすぎた時、大好きな空の匂いがした。

悪い奴ではないかも