「望月さん。」

しとやかな声で引き止められる。
水瀬玲奈先輩。
昨年は会計だったが、前副会長が引退したため、引き継いだ。

長い髪は少しだけ茶色に見えるが痛んでるわけではない。
先輩いわく、遺伝らしい。
パッチリとした二重な目はいやみのように私を突き刺す。
・・・奥二重ですよ、どうせ!

「放送、お疲れ様でした。では、行きましょうか。」

会長には一瞥もせず、歩き出す。