くっきりと通った鼻筋に眼鏡をかける。 黒縁の奥に輝く目は茶色くて。 見た人を、取り込む。 立つと目立つその長身は、私の身長よりも30センチ以上で。 そして何より、その声は。 低くてかすれたハスキーボイスは私の耳を刺激してならない。 「ありがとうございました、では。」 ネクタイを締め、眼鏡をかけたこの男は、顔つきが変わる。 ただのサボり魔から、生徒会長譜久里蓮に。 「…早く行ってください。」