「またですか、会長。」

放課後の図書室。
そこはいつも心地よい風が吹き、紙の匂いが溢れてる。
だが、本の貸し出しができるのは昼休みのみ。
ココにいる男は本が目当てではないのだ。

「副会長が探してますよ。」

職員棟にあるこの図書室は、生徒会室の真隣りである事から、よくこの男は逃げているのだ。
…鍵の貸し出しはした覚えはないけど。


「譜久里会長、出て行ってください。」

「…つれねぇな。黙って見過ごすのが委員長だろ?」