何度この道を歩いただろう。
辛くて、重い気持ちを抱えながら歩いたときもあった。
学校が楽しくて、早く着かないかなって思いながら歩いたときもあった。
どんなときも、いつも私の頭には先生がいた。
「おめでとう」
ニッコリと微笑む先生の後ろには、桜が咲き乱れていた。
私は今日で中学校を卒業する。
式はとっても短く感じられた。
3年間が走馬灯のようによみがえる。
最後の1年間は、先生だらけだったよ。
もうこうやってみんながそろうことはない。
もうこうやってみんなと1つの歌を歌うこともない。
たくさんの子たちと別れを惜しんだ。
涙が止まらなかった。
嫌だよ……。
卒業なんかしたくない。
どんな形でもいい。
先生の側でいつまでも笑っていたい。