そして、ついに私が出るリレー種目が近づき、番が来るのを待った。
みんなと円陣を組んで気合を入れ、準備体操をしていると、先生が私に声をかけて来てくれた。
「桜!さっきありがとな!リレー見てるから、頑張れよ!」
「うん!1位取って戻ってくるから、しっかり見ててね!」
第一走者が、ピストルのパンと言う音でスタートした。
練習したバトンもうまく繋げることが出来た。
でも、五走者目で、一位から一気に四位まで落ちてしまった。
私はアンカーだった。
五走者目の子からバトンを受け取り、走り出す。
そんなに差はない。
無我夢中で走った。
腕を大きく振るほど、体が前に進んだ。
どんどん前に出る。
「桜ぁ~!!」
くるみの声が聞こえた。
ゴールテープをきった。
一位だった。
「やったぁ~~~!!!」
愛梨やみんなが私に駆け寄り、抱きついてきた。
みんなの頬を感動の涙が伝った。