あの夢のような日から何日か経ち、夏休みも後半に差し掛かった。


今日は、お母さんの久しぶりの休みで、家でゆっくりと2人で過ごした。

お母さんは大分疲れているようだったけれど、私と一緒に過ごす時間を大事にしてくれた。


『色々我慢させちゃってごめんね』『辛い思いさせちゃってごめんね』って、お母さんはいつも私に謝るんだ。



小さい頃、いつも家で1人、泣きながらお母さんの帰りを待っていた。

毎日夜になっても帰ってこないお母さんの携帯に、何度も電話をした。

いつも留守電になることを分かっていながら、ひたすら電話した。


夜が怖かった。

不安で仕方なかった。



でも、私もう大丈夫だよ。

強くなったよ。


それは先生のおかげなのかもしれないね。



お母さん、いつも私のためにありがとう。

苦労ばっかりかけちゃってごめんね。


私がいつか結婚しても、お母さんを1人になんてさせないから。


こんな苦労させないから……。