―――キーンコーンカーンコーン……
私は授業の始まりのチャイムと共に、保健室へ駆け込んだ。
保健室の先生とは仲良しで、ケガの多い私は、1年生の頃からお世話になっていた。
「せんせ~!頭痛くて……」
頭の痛いフリをするが、先生にはお見通し。
「嘘おっしゃい!ケガは……してないわね。どうしたの?クラスで何かあったの?」
「いや、別に……」
「一時間だけよ!」
そう言って、優しい先生はベッドを貸してくれた。
秋月桜、人生初のサボりです。
くるみには悪いけど、初授業でオリエンテーションとはいえ、やっぱり数学だけは行く気になれない。
せめて今日だけ……。
多少の罪悪感を抱えながら、カーテンを閉めた。
ベッドに横になると、いつの間にか眠っていた。