次の日、愛梨は目を真っ赤にして登校してきた。


愛梨は駆け寄ってきた子たちに目もくれず、まっすぐ私の元へ歩いてきた。


「桜。許してもらえないかもしれないけど、今までごめんなさい。」


愛梨のいきなりの謝罪に誰もが言葉を失った。


どういう風の吹き回し?

愛梨に何があったの?


突然の出来事に、たくさんの疑問が頭をよぎる。

でも、今はそれよりも謝ってきてくれた愛梨の気持ちにこたえたい。


「ううん。謝ってきてくれてありがとう」


私の言葉に安心したのか、愛梨は声を上げて泣きながら、私に抱きついた。

『ごめんね…ごめんね…』と何度も言いながら。


「もう謝んなくていいよ。私も愛梨に本当のこと言わなかったから。私も、先生のこと好きなんだ。なかなか言いだせなくて、ごめんね……」


緊張の糸が切れ、私も涙が溢れた。


「知ってたよ。桜の気持ち知っときながら、あたし……。本当にごめんね。あたしね、昨日先生に完璧に振られちゃったんだ。奥さんがいるから振られたも何もないんだけどね。」


愛梨の言葉にびっくりして顔を上げた。


愛梨は無理して笑ってた。