「もう疲れた!こっから先質問禁止!そのプリントの問題、黙って解け!」



先生の指示に、みんな問題を解き始める。


私は涙をこらえるのに必死だった。

震える肩のせいで、先生の指示に素直に従えずにいた。



すると、誰かが私の頭をふわっと撫でた。

びっくりして顔を上げると、先生だった。


みんな問題を解くのに必死で、誰も気付かない。


また涙が溢れた。



一瞬の出来事だったけど、それだけで頑張れるんだ。

一瞬で『ごめんな』っていう先生の気持ち、ちゃんと伝わってきたよ。


プリントの問題を解こうとして机に向かうと、机の上には1枚の紙。

プリントの切れ端に、“昼休み会議室集合!”とだけ書いてあった。


私の大好きな、先生の男らしくてきれいな字。



思わず先生を見た。

先生は笑顔で軽く頷いた。



先生はちゃんと分かってくれていた。


先生の優しさに、また心が温かくなった。