私、好きだ。
目の前にいるこの人が、こんなにも好きだ。
どうしよう。
すっごく好きだよ……先生。
「なんか急に、先生に会いたくなっちゃったぁ」
私は先生に駆け寄り、笑顔を向けた。
先生は、私の言葉にフッと表情を崩して笑った。
コンパスを担ぐ手とは逆の手で、くしゃくしゃっと私の頭を撫でた。
「まぁ~たかわいいこと言っちゃってぇ~!最近、桜冷たいからさぁ。俺、また怖がられて、嫌われたのかと思ったよ。」
驚いた。
そんなに私のことを気にしてくれていると思わなかった。
「そんなワケないじゃん!」
私は、先生の腕を軽く叩いた。
そして、大きく背伸びをして、先生の寝癖に触れた。
ねぇ、先生。
私が会いに来ただけで、そんなに嬉しい顔をしてくれるんだったら、
私、毎日会いに来るよ。
先生の笑顔が見たいから……。
寝癖ついてたら、ちゃんと教えてあげるから……。
だから、お願い。
私を先生の“特別”にしてください。