季節は巡った。
卒業を控えた、寒い冬。
私は、先生の家にいた。
相変わらず、ラブラブな先生と私。
そんな私たちに起こった、ある日の出来事。
よく晴れた日の昼下がり。
先生はパソコンに向かって、仕事をしていた。
珍しくメガネをかけている先生にキュンキュンしながら、私はその隣でココアを飲んでいた。
先生の空になったマグカップを見て、コーヒーを入れようと立ち上がったその時、『ピンポーン』と、家のインターホンが鳴った。
「わりぃ、桜!ちょぉ、出て。」
忙しい先生の代わりに、先生のマグカップを持ったまま応対に出た私。
「はい」
と返事をした私に、相手が最初に発した言葉は、名前ではなく…
『誰ですか?』