話すのに疲れて来た頃、先生の家に着いた。


先生はずっと、笑顔で相槌を打ちながらやさしく聞いてくれた。

昔から変わらない。


はじめての先生の家。


嬉しさと同時に、切なさもこみ上げる。

この家は、先生の奥さんと子供が住んでいた家だから…。


「ごめん。思い切って連れてきちゃったけど、やっぱ辛いか?だったら無理すんな…。」


また、私の気持ちを読んだ先生。


私は首を思い切り横に振った。


先生の全てを愛してる。

まだちょっぴりきついけど、過去だって愛したい。


必ずぶちあたる過去の壁。

逃げたって仕方ない。


強くならなきゃ。


先生は『ありがとな』って、私の頭に手を置いた。