飛び跳ねて喜ぶ私。


一目散に階段を駆け下り、玄関のドアを勢いよく開ける。


そして、久々の先生の胸へと飛び込んだ。


『先生先生…』って抱きつく私の頭を、愛しそうに撫でてくれた。

『よしよし。寂しい思いさせてごめんな…』って。


「あらあら先生!お疲れでしょう?泊まっていってくださいな!」


私を追いかけてきたお母さんが、玄関から出てきた。


「すいません。こんな時間に…。近くのホテルに泊まるので、また明日来ます。」


そう言った先生の腕にしがみつく私。


「お願い、先生!泊まっていって!」


ちょっと困った顔をする先生。


「お金を遣うことしないでください。それに、桜が納得しないでしょう?」


お母さんのその言葉に『じゃあ、お言葉にあまえて…』と、先生は嬉しそうに家の中へ入った。