一旦休憩になり、先生が私の元へ歩いてくる。
汗っかきの先生のために、持ってきたタオルを持って、先生に笑顔を向けた。
その時、
「はい!城島先生!」
って、先生にタオルを渡す女の子。
……愛ちゃんだ。
先生は、「おお、サンキュ!」って、タオルを受け取る。
サッカー部のマネージャーをしてる愛ちゃん。
でも、サッカー部のマネージャーって言うより、先生のマネージャーみたい。
見てるだけですぐに分かるよ。
愛ちゃん、先生が好きなんだ。
きっと、愛ちゃんだけじゃない。
だって先生、あんなにかっこいいんだもん。
ちょっと下を向く私に、先生が近寄ってきた。
「桜ぁ、どした?」
って。
さっき愛ちゃんからタオルを受け取ったばかりなのに、私が持っていたタオルを奪って、『サンキュ!』って言ってくれたんだ。
先生、言わなくてもちゃんと分かってくれてるんだ。
不安なんて、どこかに飛んでっちゃったよ。