お互い、ちょっと年取ったね。
でも、変わってないよ。
この学校と同じくらい変わってない。
そのサングラスも。
その青いジャージも。
私の先のその人は、ゆっくりとサングラスをはずす。
車から降りてきたのは……
「……桜?」
持っていたものを全て投げ出し、あの頃と同じように飛びついた。
「先生!」
何年経っても忘れられなかった人。
何年も想い続けていた人。
やっと……会えた。
運命が私たちを導いた。
私たちの後ろに咲き乱れる桜たち。
私をしっかりと抱きしめ返してくれた先生の力は、やっぱりあの頃と何も変わってなかった。
先生、どうしてこの学校にいるの?
先生、私はまだ先生の1番の生徒?
聞きたいことはたくさん。
でも、今はもう少しこのまま……。