「…え?」


「私は…、忘れたくない。
篤真と過ごした今までの半年間忘れたくない」


素直な気持ち。


「私は…篤真が」


そこで、私は止まってしまった。


これ以上言ったら、篤真を困らせる。


そう思ったから。


「…ゆあ」


「なに?」


「俺たちは早く離れるべきなのかもしれない」


そう、篤真は言った。


どうしてそんなこと…。


「年明けたらすぐに、
俺の父親に会いに行こう」



──そして、離れよう。



そう、彼は私に言った。


涙が止まらなかった。


どうして…どうして…。


視界が、歪んでいく。


離れて欲しくない。


離れるなんて言って欲しくない。


そう、思って泣いていたけど…


視界が晴れてきたときには
もう篤真はいなかった。