部屋に入ると、篤真がいた。


「おかえり、ゆあ」


そうやって、優しい笑顔を見せるから
私は期待してしまうんだ。


あなたが幽霊なのに。


好きになってくれてるんじゃないか。


とか


距離が縮まったかな?


とか。


「ゆあ?」


そうやって、優しく私の名前を呼ぶから
私は期待してしまうんだ。


私を必要としてくれてるのかな?


とか


もっと話していいのかな?


とか。


バカな女なんです。


「…凛子から聞いた?」


「うん」


「そっか」


「ねぇ」