【結愛side】


気まずい雰囲気で別れたあの日から
一週間が経とうとしていた。


心の中のもやもやが取れないまま、
私は今隣の市に来ている。


篤真の父親を捜すためだ。


後少し。


後少しで見つかる。


もう、すぐ側まで来ていた。


今、私は父親の親戚のところに来ていた。


「実は、お子さんがなくなりまして。
その子からお父さんへと伝言を預かってて」


「真治に」


「はい」


「真治は…結婚歴はないのよ?」


「…え」


優しそうなおばあさんは考え込んでしまった。


「けど、真治ならあり得るわね。
バカ息子だから、お遊びが激しかったのよ」


「…そうだったんですか」