【篤真side】


目の前で悩んでいるゆあ。


なのに、何もできない自分。


思いっきり抱きしめることもできない。


「ごめん、ありがと」


その言葉と共に離れた。


ゆあは強い女子に見えて弱い。


1人で抱え込むくせがある。


相手が幽霊だから。


それが悔しくて悔しくて仕方なかった。


父親が見つけ出せれば、
俺は向こうの世界へ戻らなくてはならない。


それが条件だったから。


コッチの世界へ来たことによって、
ゆあと出会えてしまった。


次、離れることになったら…。


一生会うことはないんだ。