愁はそのまま帰った。 どうして、私は好きになれないんだろうか。 こんなに私を思ってくれているのに。 「ゆあ」 「…っ」 「また、明日来るよ」 「…やだ」 「えっ?」 「まだ…いてほしいっ」 「…うん、わかったよ」 そう言って、私の隣に座った。 そして、隣からそっと抱きしめてくれた。 感覚なんてない。 だけど、すごく安心できた。 とても、辛そうな顔をしているのが 私には見えなかった。