「結愛…?」
後ろから凛子の声がする。
そうだ。
2人を置いて来ちゃったんだ。
私、何もかも中途半端。
何やってるんだろ。
「何。泣いてんの?!」
「いや…」
「何かあったの?」
凛子は心配そうにのぞき込んできた。
「…篤真が…いたの」
「篤真って…あのイケメン?」
「そう」
「それで追いかけたの?
でも、それで何で泣く必要があるわけ?」
そうなんだ。
問題はそこなんだよ。
どうして、涙が溢れてくるのか、
全くわからない。
「結愛は…、愁の彼女でしょ?」
何かを感じたように恐る恐る聞いてきた。
「…そうだよ」
「どうして…そんな」
「わかんない…わかんないよ」
「…結愛」
そこに、きっと愁がいるのに。
何してんだろ。