もしかしたら、 向こうの世界に戻ったのかもしれないな。 そう、ポジティブに考えた。 窓から外を眺める。 「結愛ー!」 下から私を呼ぶ声。 下を見ると、愁がいた。 「どうしたのー?」 「これから出かけるだけー! いたから、声かけてみた」 そう言って笑う愁。 こんな笑顔見たらみんな落ちちゃうよ。 「気をつけてねー!」 「うん!」 自転車に乗って、遠くなっていく。 愁もいなくなった。 なんだか、寂しくなってしまった。