声のする方へ振り返ると、愁がいた。


「愁」


「こんなとこに突っ立ってたら危ないよ」


「そうだね」


「誰かと話してたの?」


「うん、春木くんと」


「佑と?」


「そうだよ」


「こっちに戻ってきてたんだな」


「彼女ができたんだってさ」


「へぇ」


愁はなんだかんだで春木くんが好きだった。


だから、心配何だと思う。


それが春木くんはやめてほしいみたいだけど。


「帰ろ」


「うん、そうだね」


私と愁も歩き出した。