今、恋愛なんて言ってられない。


大学では、多すぎる課題がだされていて、

幽霊に頼みごとをされている。


「結愛ちゃん、恋愛してなさそうだね」


「そ、それはっ」


「それもそれで結愛ちゃんらしいよ」


安心したー、と笑った。


春木くんはよくわからない。


だけど、雰囲気が穏やかになったなって感じた。


春木くんの家と私の家の分かれ道。


「結愛ちゃん、また話そうね」


「うん、またね」


「じゃ」


春木くんは道を歩いていった。


私は立ち止まったまま後ろ姿を見つめた。


大人になっていた。


守る人ができて、きちんと夢を持っていた。


かっこいいなって思えた。


「結愛?」