好きだから。


大好きだからこそ、悲しかった。


「ごめんって…」


「…ごめん」


私はそれだけ言って部室を出た。


泣くな。


そう、言い聞かせてもぽろぽろあふれる。


ねぇ、どうして?


どうして篤真の──…


いちばんになれないのかな?


俯いて歩いてると、誰かにぶつかった。


私はしりもちをつく。


「いった…」


「前を見て歩いてください」