「ありがと」


「あぁ、いいんだよ」


愁は、家が隣なのに送ってくれた。


こんな、優しさが私は大好き。


「明日、学校?」


「うん、そうだけど」


「そっか。がんばれよ」


「ありがと。愁もね」


「ん」


愁は美容の専門学校に通っている。


お互いに明日は学校。


きっと、1ヶ月くらいはあえない。


「…じゃぁ、またな」


「うん、また」


また会おうと、そう約束して別れる。


だって、寂しいから。


少しの間だけでも、
愁の存在というのは大きくて。


だけど、私は家に入って、ドアを閉めた。


ここまで胸が苦しいのは異常なのか。


なんなのかはよくわからない。


だけど、愁に会う度に
どんどんドキドキが溢れてくる。


もっといたい、と欲がでる。


これを、世間では恋と呼ぶのかな?