坂上、なんてたくさんいるのはわかってる。


けど気になってしまう。


やめておこう。


こうやって、期待してしまったら、
もう忘れることができない。





「んーっ」


やっと、終わった。


気づけば日もくれ始めていた。


レポートと資料を部長に渡して、
私は帰る準備を始めた。


ヴヴヴ…。


携帯が鳴って私は電話に出た。


「もしもし」


『あ、結愛』


「愁?」


『あぁ』


「久しぶりだねー」


『久しぶり。
今日、この後時間ある?』


「うん」


『飲まない?』


「うん!」


『なら、舞姫で』


「りょーかい」


電話を切って、私は舞姫に向かった。