私は軽く頭を下げた。


そうすると、坂上さんはくすっと笑った。


「あぁ」


そう言って、席を立ち上がった。


そして、軽々と悠先輩を抱えあげると、
伝票を持ってレジに行った。


無愛想な人だなっておもったけど。


いい人だな、とも思った。


悠先輩は愛されてる。


すごく伝わってきた。


「幸せになってください」


心からそう思った。


私は居酒屋を出て、
一人暮らしになったアパートに帰った。