三船サンタが教室に戻ってきたのは……
始業ベルが鳴るギリギリ前。
「………わ。お前…、今年もソレしてたのか。」
先に教室へと戻っていた、一歩の友人・高津は……
どうやら昼休みはここにいなかった模様。
さほど驚くこともなく、にこにこと彼女に近づいていく。
なにやら顔を赤らめて。ワクワクとした様子……。
その理由とは……?
「高津くん、お待ちしていましたよ?」
「や。今いなかったのはお前の方だろ。」
ビシ☆っと高津のツッコミが入ったところで……。
一歩は通学用のバッグから何かを取り出すと…、
「……受けとってくださいッ!!」
かばっと頭を下げて……
ソレを高津の前に差し出した。
それとほぼ同時…。
教室の入口で、ぴたりと足を止める人物が………
アリ。
「……………。」
ぽかん……、とその様子を見つめる。
クラスメイトが囃し立て、
しきりに…照れる高津。
顔を上げようとしない一歩。
その……、
返事は………?!
「……ありがとう、三船。」
高津がスッ、とそれを受け取る!
「なんで高津はチ〇ルチョコじゃねーんだよ!」
「いっぽ達ってそーゆー仲なの?!」
途端に、歓声とどよめきの声があがって……。
そこでようやく、一歩が顔を上げると…。
…バチッ☆
っと……
ニシハルと目が合ってしまう。
「……………。」
ニシハルは……
つい、視線を逸らす。