ニシハルこと、仁志日陽は……。
朝から大変ぐったりしていた。
息つく間もなく、
次々と………
次々と…………
彼の元に、女子生徒がやって来るのだから。
「………ニシハル~、はい!」
「…お。…サンキュー。」
時には……
義理チョコを。
こちらは適度な笑顔で受けとって。
「…先生、ずっと好きでした!」
「…ごめん。気持ちだけもらっとく。」
時には……
本命チョコを。
こちらは真摯に受けとって。
「…いつもお世話になっているので、コレ…。」
「…ありがとうございます。」
時には……
年上女の『?チョコ』を受けとって。
(注:お局様です)
こちらは満面の笑顔を作って。
まさに百面相……!!
「仁志先生。この紙袋使う?」
毎年気を遣うのは…寺澤先生の役目。
どうやら昔からの恒例行事に慣れていらっしゃるようです。
「……もう置く場所ないし。」
「俺のとこにも置けば?」
そう言って。
寺澤がいくつかのチョコを移動させていると……。
キュピ~ン☆
お局レーダー発動!
あらあら、彼女のチョコが寺澤先生の机に……!
チョコの扱いには、気をつけなくちゃあね…?