涙のことも忘れて、顔を上げてしまった



『ん、返事』


ほんのり顔を赤い彼が私に渡したのは






彼の卒業アルバム







私はドキドキうるさい心臓と

真っ赤な顔と

震えるペンで








ただ一言




    




はい。

朝倉夏







と書いた













卒業アルバムを開くと

そこには





あの日の

大切な



思い出が詰まっている










fin.....