―――高校の入学式。

桜が満開に咲く中、

あたしは橋本と出会った。

しかし、橋本の第一印象は

クラスの男子の中で一番

・・・・最悪だった。


ワイシャツのボタンは

3つも空けていて、

首にはクロスのシルバーネックレス。

ズボンは腰パンしていた。


この時のあたしはまだ好きにはなっていなかった。

と言うより、正直最低な男だと思っていた。


それから月日は流れ、

高校生活も少し慣れてきた。

6月の梅雨真っ只中の日だった。

外はどしゃ降りの雨が降っていたのを

今でもあたしの記憶の片隅に鮮明に覚えている。


今思うと、たぶんこの日から、

あたしの運命は変わっていったんだと思う―――。