「材料費、払うよ。いくらだった?」


「いえ、結構です」


「でも蒼太のワガママで来てもらってるんだし……」


「本当にいりませんから。キッチンお借りしますね」



今井はそう言って、買って来た材料を持ってキッチンに立った。



「ありがとうな」



俺は今井の背中にそう言ったけど、今井はコクンと頷いただけで、こちらを向くことなく料理を始めた。