「その同期は?」
「会社辞めちゃって、行方知れずで……連絡も取れない状態で……」
俺の口から溜息が漏れた。
「同期の子も同じシングルマザーで、どうしてもって頼まれて断れなかったの……」
「うん……」
「で、ある日、同期が突然会社を辞めちゃって……。それから私の元に借金返済の催促がくるようになって、会社にも電話かかってくるようになって、同期の子に連絡しても電話繋がらなくて……」
「うん……」
「私も会社に居づらくなって、仕事辞めて。でも蒼太いるし仕事しなきゃ生活出来ないし、昼間の仕事を見つけて働きながら、夜も週に3日飲食店で働いて……」
「借金の金額いくら?」
「200万……」
マジかよ……。
断れないってことで簡単に保証人になる綾菜にもムカつくし、その同期にもムカつく。
何やってるんだよ……。