吉田さんは、れいなちゃんの母親に何かされたり言われたんだろうか……。
それとも何か裏があるのか?
まぁ、元々、れいなちゃんの母親グループには歓迎されてないし気にしていても仕方がない。
「パパ!金魚すくい、したい!」
口の周りにソースをつけた蒼太がそう言いながら俺のTシャツの袖口を掴んだ。
「えっ?金魚すくい?」
「うん!」
「金魚はなぁ……」
もし、すくえたとしてもコップで飼うわけにもいかないし。
水槽やらポンプやらいるしなぁ……。
「じゃあ1回だけな」
「うん」
空になった、たこ焼きの容器をゴミ箱に捨て、金魚すくいのテントに行った。
1回やっただけじゃすくえないだろう。