「ほら早く」
「わかってるよ!」

如月の手が私の指先に触れた……途端

「……っ」

如月が私から手を離した

「冷てっ…おま、雪女かよっ!!?」
「そんなこと初めて言われたぞ。そもそも私は冷え性なだけだ」


如月は冷たさからか目が涙目になっている


「そんなことより途中だ。続けろ」

再び如月の手が触れる。


徐々に手が重なっていく。


私の手とは違って如月の手は凄く温かかった。

ふっ

「お前…手は温かいんだな…」
「……っ」

素早く離そうとする如月の手を掴む。

「まだダメだ。私の手がお前の手の温度と同じになるまでつなでる」


『敵のはずなのに…』
『奴が私の手を握ったら…奴の熱が重なったところからジワジワと伝わってくる』

小説のフレーズが次々と出てくる。


-キ~ンコ~ン

学校の下校チャイムがなる

「もう十分だろ!…これは貰っていく。明日…覚えてろよ」

如月は生徒手帳のコピーを掴んで教室からでて行った。