すると卯月綾那は大量のコピー用紙を取り出し俺に向ける。

…はっ?

「な、なんだよこれ?!」
「いやぁ~、念のためお前の生徒手帳全頁コピーさせていただきました」

いつの間に…

「私はいつでもお前の秘密、バラせるぞ?」

なんだよ…コイツ…

「お前…一体、何が目的だ…?」

卯月はスゥっと息を吸い込み…

「私のことを好きになれ」

…は?
なんだよ、それ…

「お前…俺のこと好きな…」
「それはない。私はただ、恋を経験したいだけだ。それに…お前だと良心が痛まないからな」
「はぁっ?!何で俺がお前のそんな事情に付け合わされねぇといけねぇんだ!!?」
「お前に選択肢がないこと…わかってるよな…?」

…っ……くっそ

「じゃぁまずは…手…かな」
「…手?」
「あぁ。さっき、桜庭さんが手を握られてからドキドキって言ってたからな」
「あ-…」

確かにそんなんだったかも…

「はいはい、わかったよ」

少しずつ卯月の手に俺の手を近づけて…指先が触れた…