…っ

そのまま卯月綾那は続ける。

「お前がオトして、かつフった女子生徒の名前…告られた日付と状況……そして…まだオトしてない…残りの女子の名前…人数」

…バレたか…

確かにそこには俺がオトした奴等の名前とその横に日付&状況を書き込んでいる。
まぁ…
桜庭さんだけは日付しかまだ書いてないけど…ね。

「本当…とんだたらしというか…」

は…?

「なんで俺が女たらしになるの?少し優しくしたら勝手に好きになって告ってくるのはあっちであって…俺は何もしてないよ?…でもまぁ…それが面白いから暇つぶしのゲームにはなるけどね」

卯月綾那は機嫌そうな目でこっちを見てくる

「でも…まさか卯月さんにバレるとはね~…。おしかったなぁ、あとは卯月さんオトせばコンプリートだったのに」
「なんで猫かぶってんだ?」

そう言う俺に卯月綾那は問いかけた。

なんでって…特に理由はないなぁ…
あるとしたら…

「優しくしたら女にモテて、話を合わせれば男にウケる。いい子にしてれば大人はすぐ信頼するし、少しぐらい遅れたって怒ることもない。テキトーに周りに合わせて相手してたほうが生きるのには一番楽なんだよっ」

そう言って俺は卯月綾那から生徒手帳を奪う。

「ゴメンネ~?人気者がこんな奴で…。でも、周りにはもうチクれないよ?証拠も無しに言ったって誰も信じるはずないし」

俺は肩をふるわせて笑った。

「いや、いい。お前に決めた」

卯月綾那がボソッと呟いた

…は?
こいつ何言ってんの?!