「綾那。聞いた?」
「うん。しーちゃん大人気だね?」
「え?」
「へ?」
「人気なのは綾那でしょ」
「何で私?」
「周りの声、全部綾那向けにだよ?」
「え?しーちゃん向けでしょ?」
「…ハァ~…」


何故にため息をつかれるのです?


「もう一回ちゃんと聞きなさい」
「ふぇ?」

言われたとおりもう一回聞いてみる。


「俺、あの子ちょータイプなんだけど」
「俺も俺も」
「てか、スタイル良すぎじゃね?」
「それ思った。めっちゃ美人だし」
「なぁ」


移動しながらだから、いろんな人の声が聞こえる。


しーちゃんをチラッと見る。

スタイル抜群…。美人…。
やっぱりしーちゃんのことじゃん。


「あーいう子いいよなぁ。メガネ美人」
「紫苑ちゃんも可愛いけどあの子もめっちゃ可愛いわ」
「だよなぁ。あの2人並んでるとめっちゃ目立つよな」

メガネ?しーちゃんの隣?
え゛?!
本当に私のこと?!