「綾那~、おまたせ」


しーちゃんが戻ってきた。

「しーちゃん、お疲れ~」
「綾那、暇じゃなかった?」
「勉強してたから全然」
「うわっ…勉強とか…ウチ死ぬって」
「ずっとやってると勉強もおもしろいもんだよ?」
「どこがやねん」
「1ヶ月半後にはテストだし」
「もうテス勉中?」
「そそ」
「真面目~」
「だって今度こそ如月くんを抜かないと」
「なるほどねぇ~。ずっと交互で1位と2位取り合ってるもんね」
「そうだよ」
「前回は綾那2位だったしねぇ」
「うんうん…って、それは言わなくていい!」
「アハハっでもよく満点近く採れるよ。6教科で点数2人とも580/600点以上だし。我が校が悪魔でもエリート校だってこと忘れそうだよ」



そう。
しーちゃんの言うとおり、旭比奈高校は日本の指3本に入るエリート校だ。

その高校で私と如月 鹿來(きさらぎ からい)は毎回のテストで1位2位を争ってる…と思っている。
如月くんからしたらどうでもいいかもしれないけど、私は将来大企業に就くつもりだ。
高校上がって知ったことだけど私の親戚は世界屈指の大企業、卯月財閥のトップらしい。

親戚の翠(みどり)叔父さんと稀唯(きい)叔母さんには子供がいない。
だから私をとても可愛がってくれてて将来卯月財閥を継がないか?と言ってくれている。
だからこそ、私は翠叔父さんたちに応えないといけない。


私がこの高校に入れたのは幼い頃からの教育のおかげ。
だから、教育してくれた祖父と親、親戚に恩返しするんだ。